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『ライオンキング』超える?――劇団四季『ウィキッド』発表

制作発表会で「ウィキッド」プロデューサーのマーク・プラット氏(中央)と握手する劇団四季・浅利慶太代表(右)ら

 劇団四季は2007年1月23日、ミュージカル『ウィキッド』の制作発表記者会見を開いた。『オズの魔法使い』を下敷きに、2人の魔女の友情と成長を描いた作品だ。03年秋にニューヨーク・ブロードウェイで開幕、3年間すべての公演で入場率100%を記録しているヒット作で、制作費もライオンキングをしのぐとされる。日本では非英語圏初の進出となる。四季では2月から座内でのオーディションを本格化し、6月に四季劇場「海」で開幕する運びだ。同日あいさつした『ウィキッド』プロデューサーのマーク・プラット氏は「(すでに公演している各国では)老若男女問わず幅広い観客が2人の魔女の生き様を見て笑い、手をたたき、感動の涙を流しています。『ウィキッド』は私たち関わったすべての人間の子供のような存在。自信を持って(四季代表の)浅利さんに託したい」とあいさつした。

◇   ◇   ◇

 主な出席者の発言や質疑応答の様子は以下の通り。

◆マーク・プラット氏

 『ウィキッド』は関わったすべての人にとって人生が変わる体験を与え続けています。昨年12月の最後の週の1週間、ブロードウェイ、ロンドン、シカゴなど、公演した都市で売上高の記録を塗り替えました。

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「ウィキッド」プロデューサーのマーク・プラット氏

 8年前、私がユニバーサル・ピクチャーズの社長を務めていたとき、作家グレゴリー・マグワイアの書いた本『オズの魔女記』に出会いました。1人は緑色の肌を持ち周囲から孤立する魔女と、もう1人は強力な魔法の力を持っていないという点を除いては美貌や人気などありとあらゆる美点を持つ魔女の物語です。読み進めるうちに、「ぜひ映画にしたい」と考え、脚本を書いてもらいましたが、満足いく内容ではありませんでした。

 ある日、後にこの作品の音楽を担当してもらうことになるスティーヴン・シュワルツから連絡が入り、「ミュージカルにしませんか」と申し出があった。そのときひらめきました。ミュージカルは役者が直接観客に語り掛け、歌いかける。そして、音楽は魔法である、と。

 この作品は『オズの魔法使い』を見たことがある人もない人も、多く劇場に詰め掛けてくださっています。

 その理由として1つは、観客にスペクタクルと美しい経験を提供しているからです。

 物語はウィットに富みユーモアがちりばめられ、観客は「登場人物がこれからどうなっていくのか」と目が離せません。スティーヴン・シュワルツの手による音楽は、旋律が豊かで美しいメロディラインを奏でます。

 もう1つの点として、この作品は英語で「8 to 80(エイト トゥ エイティ)」と表現されているように、8歳の子供さんから80歳のご年配の方まで幅広い老若男女に楽しんでいただいています。仮に小さな子どもさんがこの作品を見たら、魔法の世界に引き込まれるでしょうし、30歳の方がご覧になれば、政治的な意味や権力の悪用といった作品のテーマに魅力を感じるでしょう。このように、見る人1人1人が違った楽しみ方ができます。

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「ウィキッド」の1シーン〔original Broadway Production photo by Joan Marcus〕

 そしてこのような理由以上に、作品の理念自体が成功に結びついています。それは、真実に到達するということです。新聞に書いてあることのすべてが真実とは限りませんし、学校で教わることのすべてが真実ではありません。『ウィキッド』は正義、真実を求める女性の物語であり、そこに観客は魅力を感じているのだと思います。

 作品を見に来られた観客の中には、休憩時間にチケット売り場に足を運び、一緒に来られなかった両親や子供や孫、友人といった自分が愛している人と改めて一緒に見にくる、という方も大勢いらっしゃいました。恐らく、『ウィキッド』の一部を心の中に持ち帰ってくれているのではないでしょうか。

 日本の観客の方には、世界各地の公演と同じように、2人の魔女に共感して、楽しんで頂けると思います。浅利さんには、ぜひ質の高い作品に仕上げてほしいですし、ベストのキャスティングで臨んで頂きたいです。

◆佐々木典夫・劇団四季社長

 「海」劇場としてはマンマ・ミーア、オペラ座の怪人に次ぐ3作品目です。海外では今年で4年目のロングランとなり、すべての公演が入場率100%を達成、世界で最も成功している作品の1つです。まさに10年に一度出るかどうかの超大作。混迷した現代社会の閉塞感を吹き飛ばす力強さを持つ作品ですから、日本でも長期ロングランが期待できると思います。

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劇団四季の浅利慶太代表

<質疑応答>

 ――日本版『ウィキッド』は浅利慶太演出になるのですか。

◆浅利慶太・劇団四季代表

 このスケールの作品については、オリジナルを尊重した演出になります。ただ、日本語の情緒も重要ですから、劇場内で翻訳を進めています。私の位置づけは協力という立場になるのではないでしょうか。

 ――座内のオーディションをする狙いは何ですか。

◆浅利氏

 これだけの作品ですから、相当の歌唱力と演技力が求められますので、自然と劇団内での配役になります。ただ、外部にも門戸は開いています。僕の頭の中には5人くらいのメーンキャストのイメージがあります。選考はブロードウェイの関係者も交えて進めることになります。 

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