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エッセイストが語る、がん発症からの6年(岸本葉子)

第1回 がんは長い病気

岸本葉子さん

 がんが発症した場合、病気といかに向き合い、付き合っていくのか次第で、その後の人生が大きく変わる。『ちょっとだけ凹んでいるあなたへ』(清流出版刊)の著者でエッセイストの岸本葉子さんは2001年に虫垂がんの手術を受けた。病気との付き合い方、参加しているNPO法人「HOPE★プロジェクト」の活動などについて、岸本さんから話を聞いた。

◇   ◇   ◇

 私は6年余り前に虫垂がんを患い、治療を始めて何事もなく6年余りが経過しました。がんは、治療を始めてから5年間で再発転移が認められなければ治癒したとみなされるのです。

 でも、線で引いたように「もう病気から解放された」という気持ちは訪れませんでした。この6年余り、がんといかに共存するかということに努力してきて、その習慣が身に付いてしまっているんです。習慣はすぐには抜けません。

 それに、5年経過した後に再発するかもしれないという不安もあります。今では、そうした不安な思いも含めて心健やかに過ごしているといったところでしょうか。ただ、すぐ傍らに「死」を感じ続ける緊張感は、少しずつ和らいできたのかなとは思いますね。

岸本葉子
(きしもと・ようこ)
エッセイスト
1961年神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒。女性の日常生活や旅を題材にしたエッセーを数多く執筆している。2001年、虫垂がんの手術を受ける。がんにかかわる人たちを支援する「HOPE★プロジェクト」では「希望の言葉を贈りあおう」実行委員会代表を務める。近著に『女の旅じたく』『がんから5年』『からだに悪い?』など。

 現代医学をもってしても、がんが厳しい病気であるのは確かです。どんなに心持ちを明るくし、最善と思われる治療をしていても亡くなる人はいます。でも、がんになったからといって、そこで人生が終わるわけではないんです。いかに病気と向き合って生きていくかという課題はそこから始まります。

 入院しなければならない状態以外であれば、背広を着て仕事に行ったり、地域社会の中で活動をしたりと、普通に暮らしながらがんと共存していくのが現実。がんは闘病期間が長く、急性期を過ぎると次は慢性疾患として付き合っていかなければなりません。向き合い方としては、糖尿病とか高血圧などと同じにとらえた方がいいかもしれないですね。

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