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沖縄発の個人技オーディオ、東京見参
「知名御多出横(ちなオーディオ)」の設置イメージ(スピーカー「艶」) |
「知名御多出横」は「ちなオーディオ」と読む。沖縄県石川市生まれの知名宏師さん(制作者芸名)がたった1人で開発しているオーディオブランドだ。東京・新橋に初の専門店「東京・新橋 H.K.SOUNDS」がオープンし、生音に迫るその音づくりに触れる機会が広がっている。
「知名御多出横」はハイエンドのオーディオメーカーだ。しかし、開発者は創業者の知名さん1人。知名さんの故郷である沖縄の地で、ほぼ手仕事で製造されている。
1947年生まれで60歳を迎えた知名さんは中学生のころから真空管ラジオを作り始め、オーディオ用アンプも自作していた。工業高校の電子科を卒業した後、さらに腕を磨くきっかけになったのは、在沖縄米軍人を相手にしたハイエンド・オーディオの機器修理だ。専門店ででリペアスタッフとして働き、力を養った。長男の誕生を機に、「知名御多出横」を74年に創業した。本社は今も那覇市にある。
「重さ500kgのレコードプレーヤー」「ボリュームも何も付いてないアンプ」など、その製品はどれもオーディオ業界の常識を超える、異次元の発想ばかり。しかし、沖縄でしか試聴を認めない開発者のこだわりゆえに、「幻のオーディオ」として愛好家の間で語り継がれてきた。「東京・新橋 H.K.SOUNDS」は沖縄以外で知名サウンドを体感し、商品を買い求めることのできる唯一の場だ。
「ちなオーディオ」製品はアンプ、ケーブルからハンダを排除している。溶接で処理することによって、音の質を落とす元凶となる「音のひずみ」を解消。ピュアなサウンドを実現した。
スピーカーの特徴は音の広がりにある。一般的なスピーカーでは、前方の限られた角度にしか音が広がらないが、「ちなオーディオ」のスピーカーは音をシャワーのように降らせる技術を使って、自然な音の伝わり方を再現している。スピーカーの宿命とされてきた指向性に真正面から立ち向かった成果が、全指向性スピーカーという発明につながった。
アンプ「艶」(1000W×2) |
ハイエンドのブランドではあるが、すべての商品が超高額というわけではない。アンプ「健」(10W)は7万円で買えるし、スピーカー「輝」(2本セット、全指向性バスレフ型、8cmフルレンジ)は8万円だ。100W×2のアンプ「趣」は50万円で、最高価格の「艶」(1000W×2)は500万円と、ラインアップは豊富。スピーカーも最高価格の「艶(特注品)」(20cmトリプルコーン型フルレンジ2台)の500万円まで、形も機能も様々な選択肢が用意されている。
10Wアンプ+8cmフルレンジスピーカーの15万円セット |
「ちなオーディオ」製品を組み合わせて、実力を試すこともできる。10Wアンプに8cmフルレンジスピーカー2本で15万円からのセット、ミニコンポも選べる。手作りメーカーならではのカスタムモデルも受け付けている。
ミニコンポだからと言って、軽く見たら、「ちなオーディオ」の底力に腰を抜かすだろう。寸法や価格からは想像もできないピュアサウンドが響き渡る。しかも全指向性スピーカーは聴き手のポジションを選ばない。部屋のどの位置にいても、同じように立体感のある音像が結ぶ。
アンプ「醸」(500W×2) |
余計な増幅や音いじりをせず、シンプル・イズ・ベストの設計を貫いている。余計なひずみ・濁りを排除し尽くそうとするその思想そのものがいさぎよい。
来店時にはお気に入りの音楽CDを持ってきて、「違い」を実感してほしいという。「聴けば分かる」というメッセージには、商品に寄せる圧倒的な自信がうかがえる。























