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「楽器演奏」最新記事一覧

「自分のため、音楽を楽しもう」――おとなのバンド大賞審査員の加藤和彦さん

■坂崎幸之助氏と「和幸」・9月にCD

写真 ――そういえば、昨年新結成した「サディスティック・ミカ・バンド」。ボーカルには団塊ジュニア世代の木村カエラさんが加わりました。

 たまたま年齢的に同じだっただけですね。ほかのメンバーは僕より少し若い人もいますしね。またバンドをやりたくなったんですね。

 ――でもそうやって、常に新しいメンバーを加える目的は何ですか。

 そういう意味ではこちらのほうが団塊世代と関係が深いですが、坂崎くん(=アルフィーの坂崎幸之助氏)と一緒に「和幸」というユニットを組んで、9月にCD「ゴールデン・ヒッツ」を出します。カバーは2曲くらいで、ほかはすべてオリジナル曲。イメージは60年代中ごろから70年代。

 その頃ってアーティストが綺羅星のように輝いているいい時代だった。その時代へのオマージュというか、そのころのフレーバーを残しつつ作りました。団塊世代のひとが聞くと、間違いなくニヤッとしてもらえる仕上がりだと思います。

 大事なのはおとなバンドもそうですが、昔の曲だけをやっている、つまりレトロやノスタルジーだけではなく、常に新しいことに対して挑戦することですね。

 ――坂崎さんと組むのは2度目だそうですね。

 2002年にザ・フォーククルセダーズの新結成のときに一緒にやって以来ですね。その後も何かと2人でやることが多く、一緒にできるといいな、と温めてきました。

 ――そうした新しいことをやり続ける加藤さんの原動力は何ですか。年を重ねていくと、なかなか新しいことに挑戦し続けることが億劫になってくると聞きます。

 僕は音楽を職業にしていますから、創作のためのモチベーションをどう維持するかが重要です。そこらへんに転がっているわけでもありませんから、日々の生活の中から見つけられるように心がけています。

■ヘミングウェイの生き方を見習おう

 たとえば、以前、「パパ・ヘミングウェイ」というアルバムを作ったんですが、ヘミングウェイの存在自体が、彼の作品よりもずっと面白い。ヘミングウェイはとても充実した人生を送った、その副産物として作品を作った。僕もそんな生き方をしたいな、とある意味ヘミングウェイを見習って生活するように心がけています。

 ――プロの音楽家だからこそそういうモチベーションの維持が必要なんでしょうね。アマチュアであるおとなバンドの方々はどう心がけたらいいでしょうか。

 音楽で普段のうっぷんを晴らせばいいんじゃないですか(笑)。アマチュアの方はいい意味、無責任でいい。ライブをやってもウケなくてもいいわけでしょ。僕らはそれでは食べていけないけど、アマチュアはそれが良さです。なりふり構わず、自分たちが純粋に楽しんでいるかどうか、が大事だと思います。

 審査員の目としては楽曲の質が高いセミプロ的な演奏よりは、いかに自分たちが楽しんでいるか、を重視してチェックしたいです。決して上手じゃないけど、このバンドかわいいよね、というのがアマチュアバンドの本道ですよ。その上で質が高ければ、一番いいわけですよね。

 例えるなら、休日に家庭菜園で野菜を作る。その野菜は、形や味は二の次であって、自分が作るものだからこそ楽めるわけじゃないですか。形の美しさや味の良さにこだわるのがプロの仕事ですよね。おとなバンドも同じことで、いかにバンドを楽しんでいるか、が重要ですね。

 ――バンドの練習が終わったあとの反省会で仲間と飲むビールが旨い、って人もいるみたいですね。

 そこである種、発散できるわけでしょう。人のためでなく、自分のためにやっていることが大切なんですよ。言いすぎかもしれませんが、僕らプロがやっている音楽って、どこか人のためにやっている音楽ですが、おとなバンドは純粋に自分の楽しみのためにやればいい。いい意味、無責任の良さです。

日経おとなのバンド大賞のホームページはこちら

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