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「リスク限定・軽減型」投信のリスク露呈
東京証券取引所の日経平均株価は大発会の日からいきなり、一時700円以上値を下げた |
「リスク限定・軽減型」投資信託のリスクが露呈した。2008年に入ってからの急激な株価下落のあおりで、日経平均株価を基準にした、元本保証の前提条件が崩れ、元本保証が外れるファンドが続出した。あらかじめ説明済みのリスクではあったが、現実性は低いと思い込んでいた個人投資家も少なくないはずで、「寝耳に水」の事態となったケースもあるようだ。
日経平均株価が一定水準を上回っている限りは元本が保証されるというタイプの「リスク限定・軽減型」投信が、株価急落に巻き込まれた格好だ。1月22日の東京株式市場は日経平均株価が取引時間中としては約2年3カ月ぶりに1万3000円を下回った。
2007年7月9日の1万8261円からの下げ幅は5000円を超えた。年初からの下落率も15%を上回った。1月4日の大発会では1万5000円台で始まったことから考えると、大方の投資家の予想を裏切る急落ぶりだ。
「リスク限定・軽減型」投信の基本設計は、株価が設定時から3〜4割下がると、元本保証が外れ、価格が株価に連動する債券に、性格が変わるというものだ。「株価が急落しない限り、元本は保証される」という説明を信じて購入した投資家にとっては、「想定外」の事態となっている。保証が外れる条件を割り込んでしまうことを「ノックイン」と呼ぶ。
日本経済新聞が1月23日付朝刊で報じたところによれば、「リスク限定・軽減型」投信のうち、年明け以降、同22日までに元本保証が事実上、確定したファンドの本数は20本を超えたという。全体の約2割で元本保証が外れる形となり、「リスク限定・軽減型」投信の商品性があらためて問われる事態を迎えたとも言えそうだ。
「リスク限定・軽減型」投信は過去約3年にわたる相場上昇に乗って、個人投資家の人気を集めてきた。とりわけ、安定志向の投資家や、あまり高いリスクをとりたがらない投資家の受け皿となってきた。
「リスク限定・軽減」型投信はデリバティブ(金融派生商品)を活用したファンドだ。デリバティブと債券を組み合わせた仕組み債で運用する。条件が崩れない限り、年2〜3%程度の利回りを保証する設定が一般的だ。運用期間は最大5年のケースが多い。当初の申込期間しか購入できない単位型投信の形をとる。
株価が予想を超えて大きく下落しなければ、元本が保証されるという意味から、「リスク限定・軽減型」と呼ばれる。しかし、「リスクゼロ」であるはずもなく、相場が大きく動けば、元本割れのリスクが生じる。購入時にはこうしたリスクが説明されているはずだが、その時点ではかなり確率の低い話として聞こえている場合が少なくない。例えば、1万8000円を維持していた2007年7月時点に、「日経平均株価が今から5000円以上下がった場合」という条件が、個人投資家の耳に現実味を持って届いたとは考えにくい。しかし、約半年後にその事態は現実となった。
株価がいくら上昇しても、それに比例してリターンが増えるわけではないのも「リスク限定・軽減」型投信の特徴だ。元本と分配金を確保できるだけで、値上がり益は入らない。中途解約の制限は総じてきつめで、解約できた場合でも、元本割れになる可能性がかなりある。
2006年半ばまでの過去約3年の上げ相場では、「リスク限定・軽減」型投信のノックインは起きていないが、2007年に入って起き始め、2008年はわずか1カ月で20本で元本保証が外れた。忘れられがちだったリスクが現実味を帯びてきた今、「リスク限定・軽減」型投信のリターン(分配金)とリスクのバランスは、その商品特性を含めてしっかり整理しておく必要がありそうだ。


















