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「25年で上物価値ゼロ」のマイホーム

日本の住宅市場は新築優先で成長を続けてきた(写真はイメージ)

 手に入れた瞬間、10〜15%の資産価値ダウンを起こすのが新築住宅の宿命だ。そんな新築の資産リスクを嫌う人が中古住宅市場に流れ込んでいる。活況を呈す中中古市場だが、『不動産のプロから見た日本経済の活路』(PHP研究所刊)の著者で不動産コンサルタントの長嶋修さんは「これからは評価額の二極化傾向がはっきりしてくる」と見る。中古でも価値を保ち続ける「資産住宅」と「ゼロ評価」物件の分かれ目や、活況を呈する中古市場の今を、長嶋さんに聞いた。

 《不動産コンサルタントの長嶋修さん》 これからの住宅は二極分化が進むとにらんでいます。中古価値がすぐゼロになってしまう家と、なかなか価値が下がりづらい「資産住宅」の2つに分かれていくのです。

 これまでの日本の中古住宅流通では、ある程度築年数が経った住宅では、上物の価値は認めてもらえず、土地評価額だけで値付けがされてきました。しかし、近年は物件にも価値が認められつつあります。そうなると、建物のメインテナンス・補修が上物の価格に変化を及ぼしてきます。同じ時期に同じ程度の費用を掛けて建てた上物でも、中古取引時点では2倍も差が出るケースが実際に現れているのです。

 上物の評価額はほとんど例外なく、25年後にはゼロになるというのが、これまでの中古取引のルールでした。現実にはまだまだ住み続けられる上物であっても、市場が認める価値はゼロになってしまうのです。住宅を資産と考えるなら、何とも不合理で納得しがたい価格形成システムでしょう。日本でこのリスクがあまり意識されずにきたのは、上物の目減り分を上回る地価上昇が総額ベースで埋め合わせてきたからです。

 しかし、「土地神話」が終わった今、この構造的欠陥はオーナー本人に「持ち家リスク」として迫ってくるようになりました。手に入れた瞬間から、劇的にしかも継続的に価値が減り続ける資産なんて、投資の価値があるかどうか極めて疑わしいと言わざるを得ません。しかもこの国ではそういったリスク物件の購入を、「住宅政策」の柱に据えて推し進めてきたのです。これでは住宅は「ストック(資産)」の名に値しません。

 日本の新築住宅は、形式上は「資産」ですが、実態は「耐久消費財」と言えます。なぜなら、購入して住み始めた瞬間、15〜20%の価値下落が起き、10年経てば、ほぼ半値にまで下がってしまうからです。新築偏重の流通システムがこの見かけ上の資産価値暴落を引き起こす原因です。中古市場の流通量が少なく、適切な値付けもされていない状況が、中古住宅に分類された瞬間、本来の価値とはかけ離れた値付けに甘んじるしかないという「持ち家リスク」を生じさせているのです。

>>次のページでは、[中古住宅重視に行政も動く気配]について語ります

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