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<平井敏彦>第4回 「文明」と「文化」の違い
平井敏彦さん |
1960年代に英国で生まれ、人気を誇ったライトウエートスポーツカー。しかし、70年代以降、安全性の問題などから次第に市場から姿を消していった。そうした中、89年にマツダ製のライトウエートスポーツカー「ユーノスロードスター」(欧州名/MX-5)が登場。80万人以上のオーナーを魅了するまでの大ヒットを記録した。『マツダ/ユーノスロードスター』(三樹書房刊)の著者(小早川隆治と共著)で、初代ロードスター開発主査を務めた平井敏彦さんに同車の開発エピソードや人気の秘密について聞いた。
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結果として「ロードスター」は難産の末に誕生したと言えるでしょう。当時、ほかの自動車メーカーが手を出さなかったライトウエートスポーツカーの開発に踏み切ったマツダでさえも、これまで述べてきたコンセプトに関する理解を社内に広めるには時間がかかりました。合理性や効率性が求められる時代において、この手のクルマづくりはそれだけリスクが高かったということです。
それでも、1989年に北米で先行発表した際には高い評価をいただきました。「ロードスター」(欧州名/MX-5)の車内空間はタイトですが、体の大きな外国人が「狭くても乗りたい」と、シートのクッション材を外すなど工夫して乗っていました。彼らはこう言ったのです。「速く走りたいわけではない。自然やクルマと一体となって走りたいから、このクルマを選んだ」と。その時、私は、日本と欧米の自動車文化の違いを痛感しました。
自動車における文明は、A地点からB地点まで、いかに速く快適に行けるかを追求してつくり上げたもの。一方、文化はその区間をいかに楽しく進むかということがポイントになる。つまり、日本人は「文明を発達させること」には長けていても、「文化を創造する」のは苦手なのでしょうね。
おそらく「ロードスター」は、文明=便利さによって失われたドライビングのフィーリングを呼び覚ましてくれるクルマとして、多くの人に受け入れられたのではないかと思います。

















